塵倫(じんりん) 【旧舞】
時は今より1.700年の昔、帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)の御代(みよ)でありました。
異国(いこく)より身に翼があり天空(てんくう)を自在にかけ巡り、悪事を働く塵輪(じんりん)という鬼が飛来(ひらい)し、人民に苦しみを与えておりました。
そこで帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)は塵倫(じんりん)を退治するため、高丸(たかまる)に門(もん)を固(かた)めさせ、塵倫(じんりん)が現れたらすぐに知らせるように命(めい)じて下(さ)がります。それから6日目(むいかめ)に塵倫(じんりん)が黒雲(くろくも)に乗って現れました。
帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)は天神地祇(てんじんちぎ)の加護(かご)をうけた、天(あめ)の鹿児弓(かごゆみ)、天(あめ)の羽矢(はばや)を持って戦います。この天神地祇(てんじんちぎ)の威徳(いとく)の前に、さしもの塵倫(じんりん)も退治されてしまいます。
雑記帳 この塵倫という鬼は、あごが長くすさまじい形相をしており、身に翼があり天空を自在にかけ巡といいますから、神楽に出てくる鬼の中でも最右翼の鬼です。また、この塵倫は、神楽には珍しく女性の鬼とされております。 ※ 鹿児弓・羽矢=狩猟用の弓矢
出演者
帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)(第(だい)14代(だい)
仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)) 高丸(たかまる)
塵倫(じんりん) 塵倫(じんりん)の手下2人
奏 楽 大太鼓 小太鼓 手打鉦 笛